Sun - April 16, 2006
観劇にっき「マンドラゴラの降る沼」
シティボーイズミックスPRESENTS「マンドラゴラの降る沼
池上本門寺特設テント
観劇日:4月13日

 毎年シティボーイズを見ると「春が来た」と感じます。ここ数年はゴールデンウィークに天王洲アートスフィアで開催されていたのですが、今年はなんと4月にテント。しかもお寺で。いったいぜんたい、どうしたことでしょうか。

 池上本門寺は実家のすぐ近くなのですが、あまり馴染みがないんですよね。西馬込駅から思ったより歩くのでビックリ。しかも周りが暗い暗い! 電燈のなさっぷりは馬込界隈では割と当たり前ですが、イベント会場へ向かう道がこれではすごく不安。道案内があんまりないし。境内に入ってからも警備員さんが数人配置されているだけで、テントは間近まで行かないとわかりませんでした。こんなところにあったのか、とビックリ。
 キャパは横に広くて千人くらい入ったのではないでしょうか。桟敷席と椅子席があり、椅子席は傾斜があって見やすいのですがパイプ椅子なのでお尻にかなりの負担が。事前情報があったので会社からブランケットを持ってってお尻に敷いたからよかったけども。
 前座(笑)として住職の説法を拝聴しました。意外とフランクなお話で面白かったです。

(以下ネタバレあり)

 肝心の中身ですが、ゆるい!そしてヒドイ!いい意味でバカバカしくグダグダでしたねぇ。ここんとこ客演の出来と、いとうせいこうさんが出てなかったのでイマイチだったんですが、久々に最初から最後まで大笑いしました。短めで分かりやすいコントがパンパンとテンポ良く続いてスピーディでしたし、小道具の使い方や各コントのつながりも絶妙。良く練られた感じ。せいこうさんの構成が効いてるのかな。シンコちゃんの音楽も良かったなー。

 今回はきたろうさん大活躍。あの忘年会VTRは最高に笑いました。あと「もんじゅは自然からの贈り物!」って、アホか(笑)。斉木さんのガラ会長、「ちょいワル発電」。大竹さんのサドルバー、寝ビク。有志さんのネガティブオーラ夫人。せいこうさんの突っ込み、「あれがボクのお母さんだ!」「肥大する自意識のメタファー」。そして銀粉蝶さんの「仰げば尊し」。いやぁ、どれを取っても面白かったなぁ。近年まれに見る出来ではないでしょうか。もう1回見たいぞ、これは。

 どなたか、「日本でただ一人の文盲」で「犬にかまれた」方のお名前をご存知の方、いませんか?
Posted at 11:05 am |  Blogのtopへ  |  Entry page >> |   |   | 
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観劇にっき「びっくり箱 -姉妹編-」
びっくり箱 -姉妹編-
新宿・紀伊國屋ホール
観劇日:4月11日(東京初日)

うわ! 洋さん、いたのかよ!!
割と同日観劇率高いのに、なんで気がつかないかなぁ
(まぁ多分cueヲタばかりの会場だからコッソリ入ってコッソリ帰ったんだろうけど)

どうでしょうパーカーを着てる人、ウーエン・イ・ウーストのエコバッグを持ってる人なんかが居ましたが、そういう神経が分からん。だからバカにされるんだ。


そんな訳で以下感想。ネタバレにつき未見の方は要注意です

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 東京初日とはいいながら、既に北海道はじめとした地方公演をしているので初日ならではの緊張感というのは皆無。役者さんもこなれておりました。

沢口靖子さん以外は。

なんだろねぇ。あの演技はこれ以上どうしようもないものなのか、この役のキャラなのか。一人だけ固い感じがしたんだよね。

 彼女が演じる厚子は東京で真面目に看護婦として働いてたんだけど、年下のフリーターと結婚するって事になって、姉が一人住む長野の実家に承諾を得に帰るんです。帰ってみたら姉の恋人が住み着いてて、それがまだうだつのあがらない中年男。そんな4人があーだこーだもめながら分かり合って大団円、みたいな(大雑把すぎる)。
 まず厚子がなんで田島(シゲさま)に惚れたのか、皆目見当がつきません。そして姉の恋人・米倉(永島敏行さん)のことを最初はすごく嫌ってるんだけど、一晩経って急に許したのが納得いかなかったです。実は父親に似てたから? それにしたって、お前情に流されすぎ! あ、ワタシただ単に厚子が嫌いなだけか?(笑)
あと米倉のヒモっぷりもイヤでしたねぇ。心を入れ替えるなんて決意表明したけど、全然信用おけなかった。

 いわゆる「だめんず」な姉妹なのがワタシの心に怒りをふつふつと燃え上がらせたわけですが、それはとどのつまりお話に感情移入してしまったってことで、結局はのめりこんで楽しく拝見したのでありますよ。感動とか号泣とか爆笑とか、そういうことにはならない作品ですが、良くできたホームドラマでした。さすが向田邦子。

時代設定が昭和だって事があんまり分からなかったです。100円ライターが珍しいとか、アカレンジャーとか出てくる程度。別に現代劇にしても良かったんじゃないかしら。

シゲちゃんですが、当て書きか?ってくらい残念な男っぷりでした。ホントこういう役が似合うねぇ。想像してたより芝居がデカくなく(苦笑)、切ない顔をする度に胸がきゅんきゅん鳴っておりました。すいませんシゲヲタで。
帰るとき、後ろを歩いてた芝居通っぽい人が「あの若い子、良かったね」って言ってたよ! 良かったね!!

あと永島さんの意外な一面(ヒモの役なんて初めて見たっす)、余貴美子さんと草村礼子さんの素晴らしい演技が見られて良かったです。
Posted at 08:59 am |  Blogのtopへ  |  Entry page >> |   |   | 
Sun - April 2, 2006
伝説の真心野音
数ヵ月ぶりにライブに行きました。真心ブラザーズです。

「伝説の真心野音〜一夜限りのスペシャルワンマン〜」と題された特別バージョンで、それも日比谷野音の開幕戦。野外ライブの幕開けですよ。日が落ちるとさすがに寒かったけど、やっぱり野外は楽しいです。
 自ら伝説と言い切るセンスは端から見ると「エラい自信過剰やな」と思われるでしょうが、いや、ホント、伝説でしたよ。二部構成に分かれていて1部は二人だけで「THE 真心ブラザーズ」時代の曲を5曲。「荒川土手」や「軽はずみ」「きいてる奴らがバカだから」とかもー聞くの久々!! 野音のコンクリ椅子にあぐらかいて身体を揺らして時に目を閉じて。ふと空を見上げれば二筋の飛行機雲。たまらんです。
 一方2部はMBsを加えてのバンドセット。いつもの曲から久々の曲から、どれも外せない名曲揃い。「愛のオーラ」はちょっと泣いたった。「どかーん」では小川メソポタミア文明さんはハケてもいいのに「踊りたいから」という理由でステージにおられました。そしてすごくジャンプしてました。
YO-KINGとさくちゃんは始終スゴク気持ちよさそうに演ってましたなぁ。さすがに40近くなると昔みたいなジャンプはしないしアクロバティックなギターソロとかもしなくなって割とおとなしめのステージングでしたが、ライブができる充実感みたいなのは今一番あるんじゃないかしら、彼ら。楽しそうに演奏してるのがこちらにも伝わってきて、ほんわかとしたとても素敵なライブでした。
 今月発売のアルバムは珍しく2人が力を合わせて作り上げたそうなので、非常に楽しみです。ツアーのチケットも今日慌てて買ったった。地方のライブも行こうかと思ってるくらい、久々にライブ燃えの感情が沸き起こりました。
Posted at 11:08 am |  Blogのtopへ  |  Entry page >> |   |   | 
Fri - March 31, 2006
「決闘!高田馬場」サントラ
先週のパルコ歌舞伎wowow生中継を見て最後に流れていたあの曲がボーナストラックに収録されているのがコチラ。

パルコ歌舞伎「決闘!高田馬場」テーマ・ミュージック:1,500円

 オープニングテーマと、主人公安兵衛が高田馬場へ走るシーンで歌われた「只今、参着!」の2曲のみなんですが、これが大変いいです。キャッチーな歌詞で耳に残るんですよ。最初オープニングのカラオケなんか入れても意味ないのでは? と思ったけど、全然んなことない。つい唄っちゃうもの(笑)「只今、参着!」はジョギングのBGMにいいかもしんない。
勘太郎、歌ヘタなのはわざとでしょうか、地なのでしょうか?
そして三谷さんはどのパートを唄ってるの?
なんて疑問に思いながら小一時間リピートで聞いておりました。

ちなみに、会社の芝居友達は夫婦で亀ちゃん@右京のモノマネで「やしゅべぇ」と言うのが流行ってるるそうなんですが、それを会社でやらんでいただきたい(笑)

Posted at 09:59 pm |  Blogのtopへ  |  Entry page >> |   |   | 
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07年大河ドラマ
来年の大河ドラマが発表になりました。
井上靖原作の「風林火山」です。

主演の山本勘助役は内野聖陽、上杉謙信はGackt、そして武田信玄に市川亀治郎!! パルコ歌舞伎でワタシの心にジャストミートだった亀ちゃんですよ!!
Yahoo!ニュース - 毎日新聞 - <NHK>大河ドラマ「風林火山」、主演は内野聖陽さん
NHKは31日、07年に放送する大河ドラマ「風林火山」(井上靖原作、大森寿美男脚本)の出演者を発表した。主役の軍師、山本勘助役は文学座の内野聖陽(まさあき)さん▽武田信玄役は歌舞伎俳優の市川亀治郎さん▽上杉謙信役は歌手のGackt(ガクト)さんと、異色の顔合わせ。内野さんは「ものすごい重圧ですが、最初から飛ばして今までにない勘助役をつくりたい」、Gacktさんは「侍スピリットを表現したい」と抱負を語った。

亀ちゃんのブログ「亀たよりVer.4」に「明日のNHK総合19時及び22時のニュースである発表がございます」と書いていたのはこれでしたか。そうかそうか、いや、これスゴイ楽しみ。

そして亀ちゃんがらみのエントリーは上にもういっこ。
Posted at 09:51 pm |  Blogのtopへ  |  Entry page >> |   |   | 
Wed - March 15, 2006
観劇にっき「決闘!高田馬場」
パルコ歌舞伎「決闘!高田馬場」
渋谷・パルコ劇場
観劇日:3月14日(昼公演)

「パパパパパパ、パパパパパパ、パルコ歌舞伎見参!」

 この唄が頭から離れません。すごく良いモノを見させていただきました。ホント歌舞伎役者ってスゴイ! そして三谷さんってスゴイ!!
興奮冷めやらずで、またもやとんでもなく長文。しかもネタバレ。未見の方やWOWOWの生中継を楽しみにしてる人は読まないほうがいいです。

 パルコ劇場って結構コンパクトで傾斜のある客席だから花道とか舞台とかどうやってやるのかなぁ?と思ってたんですが、花道は下手側通路をそのまま利用し長唄さんや黒御簾の皆さんが舞台の上段に配置されるという斬新さでした。惜しむらくはもっと唄を聴きたかったな。効果的ではあったけど少なめ。でも幕前では笛でエビスビールの曲を吹いてたり「古畑任三郎のテーマ」を吹いてたり、お茶目。
 前半は主人公・安兵衛(染五郎)と彼を慕う長屋の住人の関係を幼馴染みの右京(亀治郎)と叔父(錦吾)を聞き役にたてて語っていくのですが、酒におぼれるダメ浪人の安兵衛を心から愛してる住人のみんなの優しさがとても愛おしいんです。そこに甘えてぬるま湯につかってる安兵衛がなんともだらしない。一方彼を心配してやって来た右京は真面目すぎる位のお侍さん。この対比が面白いんですが、この右京演じる亀治郎さんが凄かった……。ワタシはあんまり歌舞伎を見ないから分からないんですが、「さしすせそ」を「しゃししゅしぇしょ」と発音する口調は芸風としてあるんですな。猿之助さんソックリだとか。所作もわざとらしいほど歌舞伎的でそれが逆にこの配役の中では浮いてるんです。歌舞伎の舞台で一番歌舞伎っぽいことをしてるのに。それがド真面目侍っぽくさせてるんです。
 染五郎さんの色男っぷりは相変わらず。この人ってホント着流し似合いますなぁ。安兵衛を敵対する中津川道場師範・中津川祐範の二役をこなしているんですが、最初の早変わりが見事すぎてビックリしました。安兵衛が中津川門下生たちにコテンパンにやられて鳥小屋の塀をぶち破って倒れこみ、それをボーッと門下生が眺めてる間に上手から師範登場! 鳥小屋からは足が見えたままなんです。客の目線をうまく他に逃げさせてすり替えてるんですよねぇ。その後再び安兵衛に戻らなくてはいけないのですが、そこはわざと影武者が倒れてるんですよーと種明かし的なことをして笑いを誘うのも上手かったです。

 長屋では訪ねてきた叔父さんに長屋の住人が「自分はいかに安兵衛さんのことを慕っているか」とそれぞれが語りだします。脇役の住人達が皆さん芸達者! おウメ(萬二郎)は最初ヘンなばあさんだと思ってたんだけど、カワイクってコミカルでどんどん彼女の虜になっちゃいました。途中でふざけ過ぎちゃって萬二郎さん笑いが止まらなくなってんの。隣で勘太郎さんがいぶかしんでるなんてアドリブをつけてて、痛快でした。にら蔵(高麗蔵)おもん(宗之助)夫婦の掛け合いも楽しいし、洪庵先生(橘太郎)の身のこなしの軽さが現代劇を思わせるし、勘太郎演じる又八が一本気な弟分で彼にピッタリの役どころ。又八と安兵衛の掛け合いはコントかと思うくらいに軽妙で見事でした。果し合いに行こうとする又八が棒っ切れを持って素振りをするんですが、途中で床を掃き出しカーリングの真似事。そこへやってきた安兵衛はイナバウワーを披露するなんて時事ネタも盛り込まれてました。

 場面転換するときに中央の回り舞台を上手く使ってました。グルッと回ると酒屋の中が見え、長唄とお囃子がいるんです。長唄さんは酒を飲みながら唄い、お囃子さんは包丁で調子をとってました。長屋のシーンは戸がついた一間分の壁が5つ、これを表裏使って外と屋内を表現します。屋内はちゃんと3〜4畳くらいの大きさに四角いスポットライトが当たるので長屋の狭さを実感できました。回想シーンでは回り舞台の中央に安兵衛が立っていて放射状に5軒の部屋を割り当てて回転させていったり、後半の決闘場に向かうシーンでは高速で舞台を回転させて円周上に演者が走って速さを表現したり。これ以上回り舞台の効果的な使い方ってないんじゃないか?って位、多彩にやってました。

 みんなが安兵衛との身の上話をしている頃、彼は一方的に言い寄られている女・堀部ホリ(亀治郎)とバッタリ出会います。このホリがこーれーまーたーカワイイ! 右京と同じ人がやってるとは到底思えないくらいの変貌ぶり。安兵衛に断られても断られてもアタックする一途な女の子なんですが、ちょっと天然入ってて強引で、それでも恥じらいを持ってる。これって女形だからカワイクできるんだろうな。本筋とは関係ないシーンではあるんですが、これがあることによって一息つける感じ。ホリの父親・弥兵衛役(老人だけど)で勘太郎さんが登場しますが、身のこなしと口調が勘三郎さんの真似でアドリブ的に勘三郎さんの悪口を言うなんてのもあってものすごくバカバカしくて好きです、このシーン。一度弥兵衛がはけたかと思ったら夜鳴き蕎麦屋の主人に早変わりしててビックリしました。

 幼馴染みの右京は安兵衛が自堕落になったのはなぜか問い詰めます。右京との試合に負けてから酒におぼれるようになった安兵衛に、「昔のお前はそんなヤツではなかった」と右京が語りだすのですが、そこがなんと人形劇。ソックリではあるけれどゆるーい人形を使って若い頃の2人を演じます。あの人形欲しいなぁ。特に亀治郎さんの。もちろん染さまの人形は顔の下半分は青ぞり状態です。

 幼馴染みに責められた安兵衛は、ウメに促されて叔父さんが置いていった手紙を読みます。そこには果し合いに向かう彼の別れの言葉がしたためてありました。今からではもう遅いと躊躇する安兵衛ですが、住人達と右京に説得されて決闘場の高田馬場へ向かうことを決意します。かっこよく飛び出していくのかと思いきや、直前に飲まされたしびれ薬が効いたり、眠気を誘うアロマオイルがヤル気をなくさせたりとしっちゃかめっちゃか。色々あって長屋の住人も助太刀に参加して全員(ウメばあさん除く)が高田馬場へひた走る! ここからのテンポがものすごい!! 全員が横一列になって走ると舞台がせり上がったり前出の回り舞台を使ったりして走る走る。場面転換にはカーテン(「ブレヒト幕」という正式名称を知りました)が3列あって、サーっと横切ると同時に演者がはけたり、叔父さんの果し合いシーンに転換したりします。早変わりも行われて、安兵衛と右京の前に幕がかかり、他の演者がその前を走る間に果し合い場へ。そこでは同じ立ち位置で染五郎さんと亀治郎さんが敵役になっているんです。上手にはけた又八の勘太郎さんが今度は下手から弥兵衛として登場したり。手拍子と拍手とどよめきとで客席はどえらいことになってました。

 道中では中津川門下生や野犬が行く手を阻みます。住人たちが一人また一人と「ここはオレに任せろ」と先に行かせるのですが(右京の「安兵衛、ここは任せようではないか」というセリフは「なぜこんな町人に任すか!?」とこっけいであり切なくもあり)、結局みんな死んでいってしまいます。優しくしてくれた安兵衛に恩返ししたんですね。ここでは立ち回りが見られてカッコいいんですが、住人たちの思いが胸をキュンとさせて涙が出てきます。
 一方、実は又八は酒におぼれる安兵衛に嫌気がさして、祐範の誘いにのって安兵衛の動きを伝えるスパイとして安兵衛を裏切っていたのでした。助太刀として一緒に走りながら地面に釘を打ち(大工なので)目印としている又八。それを目印に中津川門下生が追いかけます。右京が彼の裏切りに気づくのですが、なんで気づくかと言うと、又八が打った釘をことごとく踏むんです。その踏みっぷりが見事で見事で、今、釘を踏ませたら亀治郎さんが一番じゃないかってぐらい。この人ホントに芸達者。
 又八は長屋に祐範からの手紙を落としてしまい、それを見つけたウメが後を追います。ウメばあさんがもう出番終了かと思ったんだけど、これで走る口実ができました。年寄りの足では到底みんなに追いつきそうもないのですが、途中なぜか高田馬場近くに川があり(長唄で言い訳してました)、その激流にのって一気に追い抜いてしまうんです。一足先に高田馬場に着いたウメばあさんは最後までカワイかったです。ワタシは見逃してしまったんですが、川の場面ではツケ打ちさんがシュノーケルしてたんですって。細かい。

 スパイとばれてしまった又八は安兵衛に思いをぶつけます。長屋のみんなが死んでいったのにそれでもあんたは果し合いに行くのか。侍とはそれほどのものなのか。責められた安兵衛は思わず又八を切り捨ててしまいます。侍である安兵衛に本当に戻ってくれたのを見届けた又八は喜びながら死んでいきました。又八は本当に安兵衛のことが好きだったんですね。多分又八は斬られたかったんだと思います。自分が斬られる事であの強くてたくましかった安兵衛が戻ってくる。そう信じてたんでしょう。あーもー切なくって仕方がない! こんな真っ直ぐな男を演じられるのは勘太郎さんだけだと思います。
それにしても強さを取り戻す代わりに優しさを切り捨てていく。さびしい職業です、侍って。

 悲しむ安兵衛に右京は「お前がせいいっぱい生きることで後世まで語り継がれることになるだろう。それがお前が皆のためにできることだ」と奮い立たせます。最後の刺客と戦いながら右京は彼を送り出し、安兵衛はみんなの思いを胸に高田馬場へ更に走る走る。着いたか?と思ったらまだ着かないなんてくすぐりもありながら、決闘場に着いた時、夕日をバックに大見得をきる安兵衛で幕が下りました。

 うわぁ……長い。すいません。
前半・中盤・後半とメリハリがあって130分飽きることなく、むしろ前のめりに観劇しました。歌舞伎って堅苦しい重苦しいモノばかり想像しますが、実はそんなことないんですよね。昔から流行を取り入れたり世相を織り交ぜたり。古典好きには「何これ?」って思われるかもしれないけど、これも歌舞伎だと思います。そして三谷さんらしい会話劇でもあり、三谷ワールドに魅せられた染さまをはじめとした演者が楽しそうに演じてるのが伝わってきました。
早くも今年のナンバーワン。と言っておきましょう。

 いやぁ、もう一度見たいなぁ。でもチケットが高いのでWOWOWの生中継まで我慢することにします。
Posted at 10:49 pm |  Blogのtopへ  |  Entry page >> |   |   | 
Sat - February 25, 2006
観劇にっき「BIGGEST BIZ」「桜飛沫」「労働者M」
観劇してから間があいてしまったのもありますが、思い出しながら書いていきます。
ネタバレが結構ありますので、嫌う方は読まないほうがいいです。
その結果すごく長文です(苦笑) エントリー1つにしたかったんだよぉぉぉ。

AGAPE store #11「BIGGEST BIZ〜最後の決戦!ハドソン川を越えろ〜
下北沢・本多劇場
観劇日:1月10日・14日(マチネ)・20日

 松尾貴史さん率いるユニット「AGAPE store」が好きで好きで、ってゆーか松尾さんのことがファンすぎるワタクシですが、今回の公演はBIZシリーズの最後を飾るということもあって頑張って3回見に行きました。
BIZシリーズは幽霊会社が、口から先に生まれた健三(松尾)達によってあれよあれよという間にビッグビジネスを手に入れる大会社へと成長していくコメディです。ワンシチュエーション(1作目「BIG BIZ」は幽霊会社・宮原木材の社内、「BIGGER BIZ」はシンガポールのホテル、今作はシナトラ生誕の地・フィラデルフィアはホーボーケンの雑貨店)で暗転なし。演者が入れ替わり出てきて、ちょっとした勘違いが勘違いを呼び、話が大きくなって引っ込みがつかなくなるというパターンは変わりません。
このシリーズの魅力はやはり健三役の松尾さん。松尾さんのハマリ役というか完璧当て書きなので、彼の芸が余すとこなく見られるのですよ。特にキーアイテムとして電話があるのですが、健三は電話に出る度に様々な声色を使っていきます。すると幽霊会社があら不思議、結構な社員数のいる大会社になってくというワケ。そしてあの軽ーーいトークが炸裂して嘘八百を並べ立てて混乱させるのですが、それをどうにかして解決してしまうのがスゴイ。
このシリーズにはなんと言っても後藤大王の脚本があってこそ。彼がうっかりカーテンコールで口を滑らせてシリーズ化されてしまったんですが、回を追うごとにどんどん複雑さを増して、見るたびに「大王の頭の中はどうなってんだ?」と感心しちゃうんですわ。
共演者も魅力的です。特に皿袋さん(松永玲子)はハッキングをする時にセクシーな衣装に着替えて「サラ」と名前を変えるんですが、そのギャップの差といったら! それぞれのキャラは普段さえない人たちなのですが、いざとなるとスゴイ能力を発揮してまとめあげてしまうんですねぇ。彼らが動き出すとワクワクします。

 さて、今回の作品なんですが。すごく面白かった! 前半のドタバタが「これからどうなるの?」ってドキドキワクワク状態になったし、小道具の使い方が見事だったし、最後は大団円(いやある意味バッドエンディングなんだけど)だったし。エンタメ! って感じでしたねー。
がしかし、ちょっと不満も残りました。新旧二大社長や前回敵役だったカワッシー(三上市朗)も総出演して、さらに彼らに巻き込まれていく人に2人(篠原ともえ・菅原栄二)がいたので、人数が多すぎて分散しちゃった感じ。特に今回ハッキングをしたのはカワッシーでサラさんの出番は付けたしって感じがしてもったいなかったです。カワッシーはハッキングのときにはオタクになるという新事実がありましたが、私としてはサラさんのエロかっこいいハッキングをもっと見たかったです。新登場の2人はどちらか1人でもよかったかな、とも思います。特に女性が翻弄されていくとヒステリックになりがちなので、それはコメディとして見ててつらいものがありました。
でもでも! なんかこれで終わるのがもったいない位によく出来たシリーズなので、本当に「SMALL BIZ」シリーズにつなげていただきたい!!

 3回見ましたが、10日はBIZ常連さんが多くてよく笑い、14日はDVDカメラが入ってて後ろの女性の笑い声が気になり(お前はゲラか)、20日はサラさん登場のときに「おぉぉぉ」とどよめいたのが痛快でした。

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阿佐ヶ谷スパイダース「桜飛沫」
三軒茶屋・世田谷パブリックシアター
観劇日:2月11日

 阿佐スパ本公演はなぜかチケット取れても見に行けないという目に何度かあってます。今回はバッチリ行けましたよ。

 時代劇で2部構成。1部「蟒蛇如」は郷地三兄弟によって「3人っ子政策」がとられた子沢山の村に住む産婦人科医・徳市(橋本じゅん)を取り巻く物語。徳市は元武士で友人に家族を殺されて刀をはずしてこの村にやってきました。彼に敵を討とうと誘う旅の侍・新兵衛(伊達暁)や郷地を殺して欲しいと頼む村人の言葉で次第に忘れていた血のにおいと刀の感触を思い出していきます。そこに産婆・タネ(水野美紀)が郷地末っ子に強姦されそうになって逆に殺してしまうという出来事が起き、さらにタネが徳市を好きだという事も知って、ついに郷地へのクーデター、さらに親兄弟を殺した敵・佐久間(山本亨)への復讐を決意するのです。

 まず、じゅんさんがカッコ良かった! 「真昼のビッチ」でもそうだったんだけど、長塚作品でのじゅんさんはモラリストなんです。いつもと違う面が見られるだけでもうれしくてうれしくて。ちゃんとじゅんさんお得意のギャグも炸裂。妻の腹をはらませまくりの長塚くん演じるシゲオは超情けなくてそれが彼にピッタリだし、その妻サカエの吉本菜穂子さんがこれまたキュートでした。あの声ってホント独特でひきつけられるわ。声といえば新兵衛役の伊達くん。彼の声はあの役にばっちりハマってました。水野美紀さんはもうちょっとアクションがあった方がこちら側としても安心なんだけど、まぁまぁあの個性派揃いの中で大健闘です。
最後の殺陣が、これまたゾクッとしたなぁ。

 一方、2部「桜飛沫」は敵役・佐久間のお話。佐久間は足を怪我して刀もなくしてしまうというボロボロの状態。しかし手配書が出回っていてあちこちから刺客が現れます。気迫で追い返すも力尽きてしまったところへやってきたのがグズ(峯村リエ)。夫の暴力で狂ってしまった彼女は佐久間と打ち解けます。夫・蛭間(中山祐一朗)は左京(山内圭哉)らとつるんで悪行三昧。左京は子どもの頃、佐久間に親兄弟を殺され悪の道に入った、恨みを通り越して尊敬の念を抱いている同性愛者(笑)。町は左京たちを佐久間に殺してもらおうと頼みますが佐久間は断り続けます。そうこうしている間に左京一派は仲間割れの殺し合い。佐久間のあずかり知らないところで首は増えていき、そして佐久間は今まで殺した亡霊たちに苦しめられます。グズはそんな佐久間に優しい言葉をかけ、佐久間は亡霊たちに許しを乞うことで肩の力が抜け以前の彼が戻っていきます。
そしてラストシーン。町にやってきた徳市。佐久間と久々の対面です。言葉を交わし刀をつき合わせる二人、そして桜の飛沫が舞って……

 こちらは1部が大変良かっただけに前半が退屈でした、正直。グズのリエちゃんは相変わらずの役なんだけど、いいですなぁ。それと左京役の山内さん! もーねー。ホモっすよホモ。着流しがカッコよくってねぇ、グループのボス的存在なんだけどホモ。そして関西弁。その左京が佐久間を憎むがあまりに憧れ、やっと対面した佐久間に落胆したときはすごく切なくなりました。
町の人が出てくるシーンとか蛭間家が絡むシーンとかはもっとコンパクトになったんじゃないかな、と思います。
 それでも最後ですよ、最後。両主役がはじめて舞台上で対決するシーンです。そのシーンが3分ほどですよ。短いんです。徳市も佐久間も全てを悟ってね、それを見守る人たちは一言もしゃべらずね、シーンとしてるんです。完全2人の世界。どっちが勝つとか死ぬとか決着をつけなくて桜の花びらを多量に飛ばしたところなんかがカタルシスを感じましたねぇ。まるで「男たちの挽歌」見てるみたいでした。休憩入れて3時間半ととんでもなく長かったですが、このラストシーンを見てケツの疲れも吹っ飛びました。

前編通して舞台がものすごくキレイで作り込まれてました。特に2部の大きな桜の木が見事。出演陣が多いしこんなにセットが豪華な割には、意外と値段安いし公演期間も短いんですよね。なんかもったいにゃーい。もうちょっとやれーーー。
それとパンフレットに三宅乱丈のマンガがありまして、それ目当てに2千円出したようなもんですが、パンフ自体の作りが大変手の込んだものでした。こういうのって大事。

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労働者M
渋谷・シアターコクーン
観劇日:2月23日

 これまた長い作品(ケラだし)。そして批評ページを見ると酷評の嵐…。若干不安になりながら行ったのですが、絶賛はしないものの面白かったです。
あらすじは書いてもさっぱり分からないと思うので割愛。近未来のどこかの国(東欧系?)と現代の日本という2つの舞台を交互に、そして混在させながら展開させていくというストーリーです。出演者は必ず2役。回り舞台を活用して場面転換をスムーズに行っていました。映像をセットに映して暗転に持ってったり、高い位置にバルコニーを作ったり、かなり凝った美術でした。
 堤真一と小泉今日子が出てることで注目されましたが、今回のナンバーワンはケラ作品初出演の松尾スズキさん。あのキャラはそのままにグダグダとギャグをおりまぜつつビシッとしめるとこはしめる。役者松尾を久々に見られてホント良かったです(「蛇よ!」のときはイマイチ演出家が抜けてなかったので)。秋山菜津子やイヌコちゃんに山崎一などケラ作品常連は言わずもがな。安心して見られます。田中哲司の軽やかさも再発見したし。堤真一の「意外となんでも出来る(笑)」器用さに目を見張ったり。
キョンキョンは残念ながら舞台向きの人ではないと思いました。冒頭、堤さんと2人だけのシーンがあるのですが、彼女のセリフって結構笑えるはず。それなのにあのちょっと張った声で一本調子で言われると面白くなくなっちゃうんです。あれはもったいなかった。現代版では尻軽女の役なんですが、あんまりズベ公に見えないし。彼女はつくづく映像(特に映画)の人なんだなぁ、と。
 最初前説があって「この芝居はセリフに『欠損』がみられます」とか言って、確かに場面転換の時に突如セリフなしのマイムになって重要なシーンやセリフであるかのように引きつけたりしてましたけど、中盤からまったく欠損が見られなくなりました。なんだったの?って感じ。どうせだったら「欠損」自体がこの芝居の核になるくらいにちりばめればいいのに。もしくはこんな中途半端にやるんだったらやらないで欲しかったです。結末はまぁいつものケラさんって感じ。「みんな狂ってる」ってゆーね。「ハッピーエンドかバッドエンドか、どっちにも取れますよ」みたいなね。みんな大笑いして終わるみたいなね。
あと最後の方で上から石が大量に落ちてきたのはすごかった。

 今回もケラさんの世界が見られましたけど、どっちかのシチュエーションだけでも良かったかな。交錯するのがやってみたかったんでしょうけどね。ちなみにタイトルは空手バカボンの名曲から。もちろんオープニング曲も「労働者M」です。にく・にく・にく!

 挨拶の時に帰った最前列の女性は何を考えてるのかしら。あと1分待てば全て終わったのに。それすらも待てないくらいに遠い家の方なのかしら。松尾さんが苦笑いしてましたよー。
Posted at 11:56 am |  Blogのtopへ  |  Entry page >> |   |   | 
Sat - February 4, 2006
今年もこの季節がやってまいりました
 この時期になるとやってくるのは花粉症予報とシティボーイズ公演告知&チケット販売。
今年の東京は、ここ数年やってた天王洲アートスフィアではなくてテントですって、テント!

シティボーイズPRESENTS「マンドラゴラの降る沼」イープラス特設ページ チケットぴあ詳細ページ

 場所は池上本門寺。実家の近所で慣れ親しんだ場所ございます。力道山のお墓があることでも有名ですが、ここ数年はUAのライブとかコンサート・舞台の場所としても使用されているんですよね。タイトルの「マンドラゴラの降る沼」からしてアングラな雰囲気が漂ってくるんですが、今回「最後のアングラ女優」と言われている銀粉蝶さんが出るのも目玉の一つであります。小百合ちゃんですよ!(タイガー&ドラゴン向け)女性はこの方だけ。あとは例の3人に中村有志、それに久々のいとうせいこうが出演します。せいこうファンなので、これは本当に嬉しい!
 イープラスのプレオーダーは終了してしまいましたが(ちなみにワタシはイープラスでチケットゲット!!)、現在ぴあでプレオーダー受付中ですよ。プラチナチケットなので、お早めに。地方公演をお求めの方はプレオーダーの日程が異なりますのでご注意を。

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Sun - January 8, 2006
観劇にっき「ザ・福袋」
東京セレソンデラックス「ザ・福袋」
シアターVアカサカ
観劇日:1月7日(マチネ)

 2006年一発目の観劇は東京セレソンデラックス。昨年の風鈴三部作公演をNACSハンサム2のシゲちゃんが絶賛、NACSファンが大挙して見に行くという事態になった劇団です。主宰は宅間孝行氏。「タイガー&ドラゴン」の若頭ですYO。以前からこの劇団に興味を持ってはいたものの、都合がつかずにズルズルと。そして友人に誘われて今回初観劇と相成った訳です。

 今回はアラカルト公演。メンバーがユニットを組んでコンペを行い、上位にランクインされた出し物を演るというモノでした。
ですから漫才あり一人芝居ありサスペンスありアニメのパクリあり(笑)。非常にバラエティに富んでいまして飽きませんでした。特に古参団員4名が演じた2本は普通にテレビとかに持ってけれる作品でした。……って脚本書いてるサタケミキオさんてドラマの脚本も手がけてるのね。納得。一番最後にやった「Duet」という作品はファンタジックで、最初で展開が読めてしまったけれど最後まで見させてくれました。ホロリとしてしまったし。宅間さんはもちろんいいんだけど、阿南敦子さんが良かったわー。
 それと面白かったのは西慶子さんの一人芝居「タチアナ・アントニコフの憂鬱」。ショーパブで働くロシア女性タチアナが楽屋で新人ダンサーに語りかけるというシチュエーションなんですが、タチアナさんたらベッタベタの関西弁でオヤジギャグの応酬。まるで松っちゃんの「ミスター・ベーター」みたい。腹抱えて笑わせて頂きました。

 シゲちゃんが開場前に走って劇場入りするのを友人が目撃して「随分早めに見に来てるんだなー」と思いましたらば、開場しても一向に観客席に座らない。パンフレットにはキャストに?マークがついてる演目が1個あるじゃないすか。もしやこれに出る? と予想したらドンピシャ。毎回シークレットゲストコーナーがあるらしく、その日(初日もだったらしいけど)のゲストはシゲ! それに伊藤高史・安藤亮司。わざわざ被り物を発注してコントを3人でやってました。3人ともセレソンのファンで意気投合し、今回の出演となったそうです。シゲちゃんは2人を引っ張る感じで終始笑いを取ってました。やはり彼はコメディをやるとイキイキしますな。この調子で今年はロックメンの芝居を見せて頂きたい!

 それと客席には洋サマが来まして、友人の斜め後ろに座ってました。その後からおやびん・諸橋さん・小橋亜樹ちゃんの飲むしょトリオもご来場。亜樹ちゃんのオーラの無さっぷりがちょっと笑えました。友人は子猫ちゃんなので興奮して死にかけておりましたよ(笑)
洋サマは声を出して笑う事は一切なかったらしいです。亜樹ちゃんは鼻鳴らしてたらしいけど。

 終演後は役者さんがロビーに出てお見送りをしてくれ、年賀状を頂きました。ワタシはメンバー最年長の杉田吉平さん。こういう心遣いが集客アップにつながるんでしょうなぁ。今度は5月に本公演があるそうなので、絶対行こうと思います。
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Sat - December 31, 2005
2005年総括・エンタメ編
今年も残すところ12時間をきってしまいました。
急いで総括をば。まずはエンタメ。

 今年はTEAM-NACSのCOMPOSER全国公演があって計4回見ました。初日と千秋楽(衛星中継だけど)を見られたのは良かったっす。まぁさすがに4回も見ると飽きちゃって(笑)。芝居のテンションとしては東京で見たやつが一番良かったかな。
手帳に書き残してあるものを羅列してみますと
  • 1月10日:HEAL NIIGATA@Zepp Tokyo(ライブ)
  • 1月14日:Beastie Boys@日本武道館(ライブ)
  • 1月16日:唐招提寺展@東京国立博物館(展覧会)
  • 1月19日:なにわバタフライ@PARCO劇場(舞台)
  • 1月21日:走れメルス@シアターコクーン(舞台)
  • 3月1日:蛇よ!@スパイラルホール(舞台)
  • 3月13日:蛇よ!@スパイラルホール(舞台)
  • 3月20日:お父さんの恋@PARCO劇場(舞台)
  • 4月27日:メンタル三兄弟の恋@アートスフィア(舞台)
  • 4月29日:COMPOSER@道新ホール(舞台)
  • 5月11日:砂の上の植物群@シアターアプル(舞台)
  • 5月19日:COMPOSER@サンシャイン劇場(舞台)
  • 6月6日:桜姫@シアターコクーン(舞台)
  • 6月8日:仮想敵国@サンシャイン劇場(舞台)
  • 6月24日:COMPOSER名古屋アートピアホール(舞台)
  • 6月25日:愛・地球博@名古屋(万博)
  • 7月14日:新編・吾輩は猫である@シアタートラム(舞台)
  • 7月22日:LAST SHOW@PARCO劇場(舞台)
  • 7月23日:キレイ@シアターコクーン(舞台)
  • 7月25日:水平線ホテル@新宿サザンシアター(舞台)
  • 7月28日:水平線ホテル@新宿サザンシアター(舞台)
  • 8月23日:トーキョーあたり@本多劇場(舞台)
  • 9月2日:COMPOSERクローズドサーキット@日比谷公会堂(舞台)
  • 9月6日:music no music@世田谷パブリックシアター(舞台)
  • 10月14〜16日:水曜どうでしょう祭UNITE2005(イベント)
  • 10月24日:はじめての中沢新一@東京国際フォーラム(イベント)
  • 10月29日:七人の恋人@本多劇場(舞台)
  • 11月6日:ダブリンの鐘つきカビ人間@ル・テアトル銀座(舞台)
  • 11月9日:ダイアログ・イン・ザ・ダーク@D-HAUS(イベント)
  • 11月11日:真心ブラザーズ@SHIBUYA-AX(ライブ)
  • 11月30日:北斎展@東京国立博物館(展覧会)
  • 12月4日:無理矢理@吉祥寺シアター(舞台)
  • 12月14日:エビ大王@青山劇場(舞台)
  • 12月20日:12人の優しい日本人@PARCO劇場(舞台)
  • 12月22日:ウーエン・イ・ウースト@シアターアプル(舞台)

舞台が25本ですか。6・7・12に集中してありましたね。複数回見に行ったのもあった。
チケット買って行かなかったのも数本あるなー。もったいなかった。
ベストを選ぶとすると、やっぱり「LAST SHOW」でしょうか。俳優個々の鬼気迫る演技からビックリの演出から小道具の丁寧さから、一番ワクワクしたお芝居でした。あ、DVD出たんだった。買わないと。
あとは「お父さんの恋」も地味な作品でしたがステキなお話でしたし、「トーキョーあたり」はバカバカしくて痛快でした。とおるさんのバカ歩きでもう感涙。「水平線ホテル」もカッコよかった。
逆にハズレも何回かひきましたが、思い出すと腹が立ってくるのでやめときます(笑)

※追記:「七人の恋人」忘れてた! これも結構上位ランキングに入る好きな舞台でした。メントス!!

総じてエンタメ関係は楽しい一年でございました。
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Sat - December 24, 2005
観劇にっき「ウーエン・イ・ウースト」
Physical Theatre「ウーエン・イ・ウーストφEN I φST〜THE ISLAND IN THE EAST」
シアターアプル
観劇日:12月22日

 えー、最初に言いますが酷評です。トライアル公演だとわかっていても酷評です。
ヒドかった。今年最後の観劇がこんなんで締めくくられるとは思いませんでしたよ。
好きな役者(TEAM-NACSの安田さんと音尾くん)が出てるからって、公演詳細発表当初から嫌な予感のする舞台に行ったワタシが間違いでした。

 どこから突っ込めばいいのかなんなんですが、まず脚本・演出が稚拙。デンマークでは有名なのか知りませんが、あんな子供だましのおとぎ話を見せられるとは思わなかったです。ロボットの国が悪者ロボットにのっとられ、200年前の若者2人が月の導きによりタイムスリップをして国を救う、というストーリーなんです。まずロボットだってゆーのが伝わってこない。200年前の若者という設定もピンとこない。時空をジャンプするとき、背景に年号が映し出されたのがベタすぎて、でもそれで初めて分かった次第。若者に恋する娘たちがたびたび登場して危険な目にあってる彼らを心配する歌を歌うんですけど、ってゆーか「そうだったのか!」って今サイトみて知りました(笑)。それくらい唐突なんですよ。場面転換がモタモタしてるしメリハリがないので、今がどこのシーンなのかが全然理解できないんです。セリフもベタベタだったしさ。デンマーク語→英語→日本語に変換してこうなっちゃったのか、もともとこういうセリフだったのか、ぜひともお聞きしたい。
 衣装や小道具、セットもチャチくってさ。タイムマシーンとかロケットとか段ボールに絵を描いて顔を出すとこだけあるパネルですよ。学芸会かっちゅうの。

 この舞台は演技部門・マイム部門・ダンス部門・歌部門と役割が分かれてまして、それぞれを専門分野の人が担当してるんです。だから音楽が非常に大事なはずなのに、心にクるものが全然なかったです。
 歌部門のBusyというグループは今回初めて知って、予想以上に上手くてビックリしたんだけど、彼女たちの魅力を引き出せたかと言うとどうかなぁ。スローテンポとアップテンポの曲のメリハリがあり過ぎて聞いてて疲れちゃうのよね。頑張ってるんだけど。
 ダンス部門はパニクルー+唐澤剛史。唐澤くんのブレイクダンスマヂうめぇ。が、その他の皆さんは相変わらずだなぁ。正直嫌いなんす。ブレイクは上手いかもしんないけど、他のダンスが汚いんですよ。揃わなくちゃいけないところ揃ってないし、中途半端に失敗するし。ロボットだってゆーのが分からなかったのは彼らに責任ありです。ロボットダンスじゃないんだものなぁ。
 マイム部門の森弘一郎は上手かった。が、演技的な部分が未熟で感情が伝わってきませんでした。まぁロボットだから感情ないって言えばない訳ですが、この芝居のロボットは感情むき出しだからねぇ。あの薄ら笑い顔(言い方悪くてごめん)が誰かに似てると思ったら、大下宗吾だったわ。だからイマイチ好きになれなかったのか(笑)。
 演技部門のNACSマッスルコンビ。音尾くんは狂言回し的な役は似合わないですね。安田大先生は難しい役で長台詞も多く、一人頑張ってました。が、彼自身に苦悩の様子が伺えて可哀相になってきちゃった。
 あー、あとラップ担当のデンマーク人ってのも居たけど問題外。あれはノレねぇ。

 ダンス部と演劇部が合同で学園祭に出よう! とやったらこうなっちゃった、って感じの舞台でした。相乗効果で良くなるどころかとっちらかっちゃって、こんな事ならダンスだけでやればよかったのに。
 まぁトライアルですから来年の本公演にはガラッと変わってるんだろうと思います。そうじゃなきゃイカンだろ。高いお金を出して混んでる人並みを掻き分けて歌舞伎町にやって来る客に失礼です。
Posted at 08:16 pm |  Blogのtopへ  |  Entry page >> |   |   | 
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観劇にっき「12人の優しい日本人」
パルコ・プレゼンツ「12人の優しい日本人
パルコ劇場
観劇日:12月20日

 プラチナチケットを一般発売で奇跡的に取りました。場内は客層がとても高く、まるでなんかの招待デーのようでした。スーツ率高いし。
 初演も映画版も見たことがないのですが、やっぱり三谷脚本は面白いなぁ! とストレートな感想。舞台は陪審員12人が集まった会議室。暗転なしで全員が出ずっぱり。緊張感が客席にも伝わります。12人のキャラクターはバラエティに富み、全員にしっかりとした性格づけがされていて、誰を中心に見ても面白かったです。役者の皆さんも芸達者。あ、ちょっと江口洋介はもうひと頑張りって感じだけど、それも含めてああいう役どころなのかな。アガリ性なワケだし。
 特に誰が良かったと言うと全員良かったわけですが、温水洋一の怪演、生瀬勝久のテンション、山ちゃんの器用さ、堀内敬子というめっけもの、鈴木砂羽の在り方の自己認識、小日向文世の意外さ、やっぱりこういう役か筒井道隆……なんてところでしょうか。
 もう一度見たいんだけど、とにかくチケットが取れないし(取れても高くて買えねぇ)WOWOWの生中継で我慢します。カメラは引きの画のみにしてほしいな。
Posted at 08:14 pm |  Blogのtopへ  |  Entry page >> |   |   | 
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観劇にっき「エビ大王」
Team ARAGOTO vol.1「エビ大王」
青山劇場
観劇日:12月14日

 筧利夫の舞台を見てみたかったのと、橋本じゅんと河原雅彦が出るというのでチケットを購入。でも高いので2階席。

 冒頭からで申し訳ないが、あんまり面白くなかったです。
まずタイトルの「エビ」の意味がよく分からなかった。韓国で「恐怖すべき何者」という意味らしく、要するにエビ大王とは暴君な訳ですが、その辺の説明が欲しかったかなと。名前で呼ばれる配役は2名。エビ大王と捨てられた娘パリデギのみ。パリデギの名前の由来は説明あったのにね。
前半部分が特にキツかったぁ。セリフが上っ面でなかなか入ってこないのですよ。息子・娘・婿や兵隊役の皆さんがワイワイしすぎてうるさいし。全体に新感線チックではあるんだけど、主要キャスト以外がキャラ立ちしてないので邪魔なだけなんだよね。演出もスモーク・火、ライティングに音楽、全てハデだったんだけど過剰すぎ。
後半からは徐々に緊迫感が増してくる(エビ大王が老いてからが特に)んだけど、前半にダラけた気分を高揚させるにはいたりませんでした。
佐田真由美が演じた役は「男として育てられる末娘」らしいんだけど、そんな役だったんだ! だって全然男らしくなかったよ。後であらすじ見てビックリしました。途中、権力を握っていくあたりはカッコよかったんですけどね。

 今回はじゅんさん&まちゃぴこの死神コンビに救われてると思います。この2人のコンビネーションは抜群で、ギャグもアドリブも冴え渡り、決めるとこはビシッと決める。すべての美味しいところを持ってった感じ。ただ狂言回しすぎて彼らが全部この後の展開をしゃべっちゃう所はどうかなーと思いました。
あと初舞台のサエコ嬢。健闘してる! してるんだけど、やっぱり甲高いアニメ声はイマイチ悲運な女の情が伝わってきませんでしたな。うーん、度胸もいいし立ち姿も凛としてるし。次やる時の配役次第で大きく化けるかも。

 致命的だったのがマイクトラブルで、とんでもないハウリングを起こしてました。あれは厳しかったねぇ。死神まちゃぴこがアドリブで笑いにもってったからよかったけど。

 筧利夫ってやっぱ舞台だと映えるなぁとは思いましたが、やっぱり苦手な役者でした。食わず嫌いはいけないので今回挑戦してみましたが、もうお腹いっぱい。げふっ

あらすじはコチラをごらんください
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Tue - December 13, 2005
観劇にっき「無理矢理」
劇団、本谷有希子「無理矢理」
吉祥寺シアター
観劇日:12月4日(マチネ)

 うっかりチケットを取り損ねていたところ、行けなくなった友人に譲ってもらいました。前回・前々回がとても評判良かった事に加えて高田聖子主演でとっても楽しみにしてたんですけど……、イマイチ消化不良でした。過度な期待だったのでしょうか。
 確か以前の舞台は女性の情みたいなもんが舞台から湧き出てて、息苦しくもあり痛快でもあり、ってゆー評判だったんですよ。でも今回、せっかくの高田聖子なのに、活かしきれてなかったです。主役じゃなかったっけ? 他の役が濃かったせいもあって一番薄いキャラクターでした。
 高田聖子扮する最期夫人は夫に命じられて毎日脚立にのぼって家の改築をするんだけど、感情を表に出さないのが怖かったです。夫人を取り巻く2人の住人(盲目の童話作家と死にたがり親子の父親)と引っ越してきたリストラ男、3人の男が夫人と絡むところはどうなるのかワクワクしてたんですが、結局全員が破綻して終わるとゆー。もっとドロドロして欲しかったかな、なんて。
 役者の皆さんは大変素晴らしかったんですよ。特に吉本菜穂子が良かったなぁ。リストラ男の妻なんだけど、事故で息子とお腹の子供が死んでしまっているのに息子は生きてて妊娠もしてると思い込んでる役。でも本当に狂ってるのはリストラ男の方で息子は生きてるし妊娠もしてる。狂ってるかと思ったら一番まっとうなことを言ったりして、その感情表現が彼女ウマイなぁ、と思いました。彼女で何度も笑ったし。初音映利子もかわいかったけど、大事なせりふを間逆に言い間違えた(しかも2回)のがなんとも。もったいなかったっす。
 劇場を生かしたセットだったんですが、広すぎた感じがします。目があちこちにいきすぎて散漫になっちゃった。セット自体はステキだったし効果音とか音楽とか良かったんですけどねー。
 最後はホント無理矢理に終わらせた感じ。いや、そういうの嫌いじゃないんだけど、今回のストーリーに無理矢理はどうだったんだろう。もっと腑に落ちる終わり方でも良かった気がしました。

 でもまた見に行くと思います。
Posted at 10:15 pm |  Blogのtopへ  |  Entry page >> |   |   | 
Thu - November 17, 2005
イベント3題
10日も書いていないとさすがに飽きられますので、今月行ってきたイベントのお話をば。
真心ブラザーズライブ〜"LIVES!" TOUR:SHIBUYA-AX
ダイアログ・イン・ザ・ダークD-HAUS
酉の市〜一の酉:鷲神社酉の寺

真心ブラザーズライブ〜"LIVES!" TOUR:SHIBUYA-AX

 3年半ぶりの真心ですよ。あの冬の武道館の2階席でしみじみと「もしかしたら2人には会えないかも」なんてウルウルしてたけど、帰ってきましたよ!
休業して復活するアーティストやバンドって、どことなくよそよそしくなっちゃったり前と雰囲気が変わっちゃって、ガッカリすることってないですか? でも真心はそんな事は全然なく、はっちゃけぶりとグダグダなMC(笑)、YO-KINGのくにゃくにゃ踊りにさくちゃんのギターパフォーマンス(ってゆっても中腰になってネックを前に向けるポーズなんだが)、以前となんら変わりなくステージ上で行われていた事に感激しました。でも休業して成長した部分は、どの辺かって聞かれたら分からないけどしっかりあって。そして若干老けて(我々もだけど)。なんか肩の力が抜けたイイ感じのライブだったなー。
1曲目の「新しい夜明け」は体調のイイ晴れた日に歩きながら口ずさむ曲。イントロの瞬間目頭が熱くなりました。ホント歌詞の通り力がみなぎってくるのです。そして久々の「STONE」や「スピード」、フォーキーな歌に新曲も挟んでアンコールラストは「RELAX〜OPEN〜ENJOY」でまた涙。
ホント名曲揃い。iPodにこの日のセットリストで入れておこう。あ、新曲買ってにゃい(笑)

ダイアログ・イン・ザ・ダークD-HAUS

 以前から体験してみたかったDITD。チケットを事前予約して行ってまいりました。7人で真っ暗の中をアテンド(視覚障害者のスタッフ)の方と杖と声を頼りに進んでいく……というのはあちこちで耳にしてる情報でしょうからいちいち書きませんが。
一言で感想を言うなら「スッゴク面白かった!」。これに尽きます。
閉所恐怖症なので暗い所に抵抗があったんだけど、結構すぐに慣れ、手足の感触がスゴク敏感になっていくのが分かりました。足とかスニーカー履いてるのに感じ取れましてね。枯れ葉を踏んでるのか松の葉っぱを踏んでるのか、違いがあるんですな。
なんか色んな事を考えました。23日まで開催されてますが、前売り券は完売、当日券が若干あるそうなので問い合わせてみてみて。
常設展示の動きもあるらしいです。常設されればいいなー。

酉の市〜一の酉:浅草鷲神社


 9日の夜、行ってきましたよ。浅草駅のすぐ近くにあるのかと思ったら三ノ輪とか入谷の方が近いんですね。テレビで混んでるんだなぁというのは大体想像ついてたんだけど、なんじゃあの人は!? それになんじゃあの露店の数は!?!? ブッタマゲましたよ。でもどの露店も美味しそうでねぇ……。行く前に食事をしてしまったのが仇となりました。それでもベビーカステラをつまんでみたりしながらそぞろ歩きしました。楽しかった〜。
熊手を買わなかったんだけど、やっぱり初めて行ったもんだから買うのに緊張しちゃったってゆーのが本当のところです。熊手商の人たちってやっぱ怖いんだもん(笑)。
次の二の酉は21日。この日も夜からしか行けないけど、是非とも参加したい。そしてその日の夕飯は露店で済ませたいです。
Posted at 02:52 pm |  Blogのtopへ  |  Entry page >> |   |   | 

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