8月の芝居感想

 1ヵ月分、どどんと感想書いてこーと思っております。

★「しあわせのつぼ」8月4日&12日/ル・テアトル銀座

 初日でした。NACS音尾くんが出演してなければ行かなかった作品です。でも福島三郎脚本なのよね。この人の作品は好きなのでその点でも楽しみでした。
内容は簡単に言うと妻と子がいることを隠しているプレイボーイな歌手がある日脳内出血で倒れてしまい、その病院で起こるドタバタをコミカルに描いたものです。
セットのパーツが4個に分かれてて、病室・娯楽室・受付・屋上とほとんど暗転なしでテンポよく展開させていたのは面白いと思いました。でもたまに左端の娯楽室と右端の受付でそれぞれ同時進行して動いてたりするので、役者さんを追いかけるのが大変でした。複数回見る人はその都度見る位置を変えればいいけど、一度しか観劇しない人は辛いだろうな。あと最初病室のシーンで医師が娯楽室にいて病室では医師の噂話をしてたのですが、医師も病室にいるんだと勘違いしちゃいました。セットのからくりに気がつかなかったわけ。多分多くの観客がワタシと同じなんじゃないかな。「あれ?」って思って、理解するのに1シーンムダにしちゃった感じでそれがもったいなかった。
ラストもありきたりな感じで大団円。ハッピーエンドを見に来た人ばかりですからそりゃもう気持ちよく帰ることができましたよ。

 歌手役の布施明さんが歌うシーンがあるんですが、それがもうスゴイのなんの。やっぱりこの人は大スターなんだなぁと思いました。オーラが違うんだよねぇ。昔からバラエティで鍛えてたこともあってシリアスな演技もコミカルな演技もこなせるし、ホント器用な方。
主演の宮本信子さんはちょっとセリフかみかみな部分があったり、30歳くらいの付き人の子が好きになってしまうにはちょっと無理がある設定でしたけど、かわいかったです。
役者さんはどれも達者揃い。宮本さんの親友役の木野花さんが「こんな人が親友だったらいいなぁ!」って思うくらいの理想の親友像でした。ちょっと騒々しいけど(笑)。
音尾くんは無難でしたなぁ。彼はどんな役もそつなくこなすけど、抑えた演技をすると個性が埋没しちゃうのが難点です。もっとはじけるとこははじけてもよかったのに。

 初日のスタオベでは音尾くんにプレゼントを渡しにステージへ走ってきた女性がいました。マナー完全無視。こういう人いるんだねぇ。後日劇場には注意書きが張られてました。でも12日、隣の女性がその話をしてて「えー、いけないんだぁ」って驚いてたけど、驚いたのはこっちです。出演者の評判が下がる事は絶対にやめましょう。

★「噂の男」8月27日/PARCO劇場

 これまた福島脚本。今年立て続けに彼の作品を見てるわ。しかもケラ演出で豪華俳優陣。本公演のチケット惨敗だったんだけど追加を取ることができました。
これはホント面白かった!! ケラさんの真骨頂って感じ。どいつもこいつもろくでなしばかりで、自分が良ければ人も殺す。言葉も汚いし暴力はふるうし、宣伝文句の通り「いやーなお話」でした。でも最後なんて超バッドエンドなのに後味悪くないどころか爽快感さえ漂うのですよ。これ不思議。もしかしたらこれ嫌悪感しめす人も絶対いるとは思うけど、ワタシはこれを「好きだ!」という人と友達になりたい。

 出演陣で優劣はつけられないくらい全員がキャラ立ちしてて存在感抜群でした。僧正は今回もホモ役かよ(笑)。
じゅんさんさとしさんの漫才は最高に面白くて、多分若手で出たら一番面白いと思うわ。M−1出れるんちゃうん?

今年のベスト3に入る作品です。やっぱパルコ・プロデュースはやめられん。

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